コラムColumn

2023年03月13日

インフルエンザが流行しています

2023.3.13

コロナ禍以降はじめて、インフルエンザが流行しています。

数年流行がなかったため、小さいお子さんで免疫を持たない方が増え、保育園や小学校などで爆発的に増えることもあるようです。
ワクチンを打つ人が少なかったことも影響しているものと思われます。

<症状、診断について>
症状は38度以上の高熱、関節痛、鼻水、咳が多いですが、嘔吐や下痢、腹痛が出る場合もあります。

診療所で使っている検査キットは熱が出て12時間以上(できれば24時間)たたないと検査をしても陰性になってしまうことが多いため待てる方は翌日の受診をお勧めします。

最近は薬局で検査キットが手に入るようになりました。その場合も24時間経ってからの検査がよいでしょう。自己判断が心配な方は受診をお勧めします。

 

<治療について>

治療は基本的に対症療法です。
水分をしっかり取り、食べられる範囲で食べ、とにかくしっかり休むことが大切です。
熱は37℃台は無理に下げることはありませんが38℃以上でぐったりしてしまうときは
アセトアミノフェン(カロナール、タイレノール、小児用バファリンなど)を使います。
6時間以上空けて、1日4回程度は使用できます。
その他症状に合わせて咳止め、痰切り、漢方薬を使う場合もあります。

5歳未満(特に2歳未満)の乳幼児、65歳以上の高齢者、基礎疾患(糖尿病や呼吸器疾患、慢性の心臓病や腎臓病など)のある方、妊婦や産後2週間以内の母親は重症化リスクが高いため、タミフルなどの抗ウイルス薬の使用が推奨されています。それ以外の方も症状が強い場合は薬の使用を考慮します。

通常は2-3日で解熱傾向になりますが、高熱が続く場合は合併症(肺炎、中耳炎)に注意が必要です。けいれんや意識がもうろうとする場合は脳炎の可能性もあり、病院受診が必要です。
水分が十分取れない時や咳がひどく息苦しさがある時も受診が必要です。

 

<出席停止期間について>

小学生以上は
発症日を0日として5日目まで
かつ解熱日を0日として2日目までです。

保育園、幼稚園以下のお子さんは
発症日を0日として5日目まで
かつ解熱日を0日として3日目までです。

コロナのように濃厚接触者が休む必要はありませんが、体調に十分留意する必要があります。
今シーズンから足立区では治癒証明が不要になり、病院でもらう用紙に熱の経過を書いて学校に提出すれば良いようになりました。

<予防内服について>

インフルエンザの予防にはワクチン接種が最も大切ですが、重症化リスクの高い方は同居家族が発症してから48時間以内に抗ウイルス薬を使用することで発症を8割程度予防することができると言われています。

日本ではタミフル、イナビル、ゾフルーザで予防投与が認められています。

添付文書によると対象者は以下になります。

  • 高齢者(65歳以上)
  • 慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
  • 代謝性疾患患者(糖尿病等)
  • 腎機能障害患者

予防投与は保険が効かないため自費になります。

上記以外の方も内服できますが、重大な副作用が出た場合、救済措置が受けられないことがあります。詳しくは診療所にお問い合わせ下さい。