コラムColumn

2021年05月2日

予防接種について(子育て中のみなさんへ)

コロナワクチンが話題になっており、予防接種についての関心が高まっていますね。
このコラムはお子さんの予防接種について、子育て初心者のパパママ向けに書いています。

どうして予防接種が必要なの?

私は、お子さんにはぜひ予防接種を打って欲しいと思っています。
理由は2つ。
「重大な病気からお子さんを守り、元気に大きくなってもらうため」
「病気の流行を抑え、社会を守るため」

戦前の日本では多くの子供が麻疹(はしか)で命を落としましたが、MRワクチンの普及によって麻疹を見ることはほとんどなくなりました。

子宮頸がんは日本では年々増えており、毎年約1万人がかかり、約3千人が亡くなっています。HPVワクチンと子宮がん検診が普及した国では十数年後には子宮頚がんになる女性はゼロになるといわれています。

風疹がはやるとその翌年に先天性風疹症候群のお子さんがたくさん生まれてしまいます。ワクチンを打つことは、これから生まれてくる命を守ることにもつながります。

 

それぞれのワクチンとそれが予防してくれる病気については、ぜひ以下のホームページをご覧ください。
「VPDを知って子供を守ろう」https://www.know-vpd.jp/index.php
※VPDとはVaccine Preventive Disease=「ワクチンで防げる病気」のことです。

 

ワクチンのスケジュールってどうやって組めばいいの?

0歳で打たなければならないワクチンは15本、小学校卒業までに打たなければならないワクチンは10種類以上あり、どのようにスケジュールを組んだら良いか悩ましいですね。

最近は、アプリなどで教えてくれるものもあります。
鹿浜診療所では以下のスケジュールをお勧めしています。

▽クリックで拡大します。▽
おすすめワクチンスケジュール20210502のサムネイル

足立区にお住いの方は「安心子育てナビ♪」に登録するのも良いでしょう。
(登録をすると予防接種の時期をメールで知らせてくれるアプリ)
http://adachi.city-hc.jp/

 

ワクチンの基礎知識

<定期接種と任意接種の違い>
定期接種は国の定める「予防接種法」に基づいて行われる注射のことです。区市町村から接種券(問診票)が届き、無料で打つことができるワクチンが定期接種です。おたふく、インフルエンザについては任意接種のため有料になります。子宮頸がんワクチン(ガーダシル)は定期接種ですが、現在積極的推奨が見合わされている状態のため、取り寄せなければ接種券が届きません。注意してください。(2022年4月から積極的推奨に変わる予定)

<生ワクチンと不活化ワクチン>
生ワクチンは弱毒化させたウイルスや細菌などを体に入れ、弱くその病気にかかることで免疫を得ようとするワクチンです。弱くても生きた病原体が入っているので妊娠中の方や免疫不全状態の方は使うことができません。ほとんどのワクチンは2回打つことで、ほぼ一生免疫を得ることができます。

生ワクチン:MR(麻しん風しん)、水痘、おたふくかぜ、ロタウイルス(経口)、BCG

不活化ワクチンはウイルスの成分の一部の成分をバラバラにして増やして体に入れることで免疫をつけるワクチンです。1回では免疫がつかないので、繰り返し打つ必要があります。

不活化ワクチン:ヒブ、肺炎球菌、四種混合、B型肝炎、日本脳炎、インフルエンザ、HPVワクチンなど

 

<接種間隔について>
2020年10月に国が定める接種間隔がこれまでと変更になりました。

生ワクチン(注射)同士の接種間隔は4週間のままですが、それ以外の組み合わせ(生ワクチンと不活化ワクチン、不活化ワクチン同士)については接種間隔がなくなりました。つまり、不活化ワクチンなら翌日に次のワクチンを打てる、ということになります。当院では、副反応が接種後数日起こりやすいことを考えて1週間程度(最低でも3日以上)間をあけることをおすすめしています。(なお、新型コロナワクチンは前後2週間はほかのワクチン接種を行わないことになっています)

また、同じワクチン同士は、接種間隔が決められているので注意してください。例えば、B型肝炎は1-2回目は4週間、2-3回目は20週間以上あけることになっています。
子育て初心者の方にとってワクチンスケジュールを組むのは難しく思われるかもしれません。

そんな時はぜひ気軽にお電話でご相談ください。
ワクチンを通じてお子さんの健やかな成長に貢献できれば嬉しいです。