コラムColumn

2025年07月31日

熱中症の予防と対応について

2025年7月30日、兵庫県丹波市で国内最高気温となる41.2度が観測されました。関東でもすでに猛暑日を何度と観測しておりますが、まだまだ日本らしい夏の高温多湿な時期が続く予想です。その中で相談受診が増えるのが熱中症です。

熱中症とは、高温多湿に身体が順応できず様々な症状が現れる病気です。軽症の段階では めまい、大量の汗、腓返り、吐き気、頭痛筋肉痛などの症状が現れます。熱中症に限った 症状ではないので見過ごされる、なんてこともありますが上記の症状がこの季節出現した場合は熱中症かも、と思うことが大切です。

熱中症が疑われたら、慌てず涼しい場所に移動させて水分と塩分を取らせましょう。冷水をかけ たり扇いだりして身体を冷ましましょう。ネクタイやベルトなど締め付けているものを緩めることも効果的です。軽症の段階では20-30分で良くなってくることがほとんどです が、良くならない場合は早めに病院へ相談をしましょう。
すでに意識がもうろうとしている、 嘔吐している、痙攣しているなどは重症の合図です。命の危険があり、ためらわず救急車 を呼びましょう。

熱中症は誰にでも起こるため、予防が大切です。予防の大前提は、高温多湿な環境を避け ることです。熱中症警戒アラートが発令されている日は不要不急の外出は避けることが望ましいです。日差しが強い屋外だけでなく、風がない日や風通しの悪い屋内、トイレ・台所などで は屋内にいても熱中症に陥る可能性があると知っておくと良いでしょう。水分補給も予防に重要です。充分な水分がないと汗が出ず血の巡りが悪くなり、体の中に熱がこもってしまい、熱中症の危険を高めます。特に若年者の熱中症では炎天下での運動仕事中に水分補給が行われず起こることが多いです。熱中症予防として、20-30分に1回、200ml(コッ プ一杯が目安)のこまめな水分補給を心がけましょう。また、コーヒーやアルコールなど 利尿作用がある飲料は少なめしましょう。

高齢者では身体の温度センサーや喉の渇きのセンサーが衰え、高温に気付きにくい、汗が出ない、水分を取らないために脱水になりやすいなど熱中症の危険が高くなります。高齢者では身体の水分量も少なく、熱中症になった際に心臓や腎臓に持病を抱えていると重症化することも多いです。また小さいお子さんは汗をかく機能が未成熟であることや、身長が低く地面からの照り返しを受けやすいことから熱中症の危険が高まります。
熱中症は周囲の人が声かけが大切な病気です。お互いに助け合いながらこれからの季節を乗り切っていきましょう。

イラストは全て環境省 熱中症予防情報サイトより