コラムColumn

2020年01月9日

今回はワクチン特集!~やっぱり打とう!HPVワクチン

◆中学生、高校生の女の子へ~やっぱり打とう!HPVワクチン

ヒトパピローマイウイルス(HPV)は子宮頚がん(けいがん)の原因になると言われています。日本では毎年約10000人が子宮頚がんを発症し、約2700人が亡くなっています。特に20~40歳代の若い患者さんが多いのが特徴です。

HPVは広くまんえんしているウイルスで、性交渉を行う女性の約8割が一生に1回はかかると言われています。HPVに感染した人のうち10%で感染が長期化し、それによって子宮の入り口(子宮頚部)の細胞が徐々に変化し、前がん病変になったあと、数年かかってがんになると言われています。HPVワクチンは100種類あるウイルスのうち、がんを起こしやすい16型と18型に対する抗体を作り、このウイルスにかかるのを防いでくれます。その結果、ワクチンを打っている国では子宮頚がんの前がん病変が減ってきています。

厚労省リーフレットHPVワクチンの接種を検討しているお子様と保護者の方へ より

ところが、HPVワクチン接種後に痛みやしびれ、手足の動かしにくさ等の「有害事象」が相次いで報告されたため、2013年6月より厚労省はHPVワクチン接種の積極的推奨を中止しました。ワクチンの用紙が自宅に送られなくなったため、HPVワクチンの接種率は1%に満たない状況です。その後の調査で、これらの症状とHPVワクチンの直接の関連はないという結果が出ています。もちろん、ワクチン接種後の副反応(発熱や痛み)は一定の割合で出ます。(副反応が出たときは当院で対応させていただきますし、国の救済制度もあります。)とはいえ、子宮頚がんにかかることの重大性を考えたとき、やはりHPVワクチンを打って欲しいと考えています。小学校6年生〜高校1年生までの女子はいまでも定期接種(無料)でワクチンを打つことができます。

また、このワクチンはすべてのHPVを防ぐものではないので、20歳になったら2年に1回、子宮頚がん検診を受けましょう。がんの早期発見ができます。

申し込み先:足立区保健予防課または保健センター電話:03-3880-5892

◆おとなも打とう!風しんワクチン

「風しん」とは風しんウイルスの感染によっておこる急性の感染症で発熱、発疹、リンパ節腫長が主な症状です。軽くかかり気づかない方もおり、数年おきに流行します。

妊婦さんが風しんにかかると、おなかの中の赤ちゃんにも感染し、心臓の病気、難聴、白内障などの障害をもって生まれてくることがあります。これを「先天性風しん症候群(CRS)」と言います。2012~13年の流行では全国で16,730人が風しんに感染し、45名の先天性風しん症候群のお子さんが生まれてしまいました。妊婦さんやおなかの赤ちゃんはワクチンを打つことができません。CRSを防ぐためには、子供だけでなく大人もワクチンを打って免疫をつけ、風しんを流行させないことが重要です。

風しんにかからないためには

MR(麻しん風しん)ワクチンまたは風しんワクチンを2回打つことが大切です。母子手帳を見て自分が何回打っているか確認しましょう。妊娠を考えている女性やそのご家族はすぐに打つことをお勧めします。(接種後2か月は避妊をしてください。)

  • 1回も打っていない方→2回打ちましょう。
  • 1回しか打っていない方→1回追加をしましょう。

生まれた年代によって何回ワクチンを打っているかは以下の表を確認してください。

風しん抗体価検査助成制度について

・1962年4月2日〜1979年4月1日生まれの男性の方

国の制度で風疹の抗体検査を無料で行うことができます。その結果、抗体価が 低い場合(HI法で8倍以下)はワクチンを無料で接種できます。(MRワクチンまたは風疹ワクチン)

・足立区に住んでいる19歳以上の方

足立区の制度で風疹の抗体検査を無料で行うことができます。その結果、抗体価が低い場合(HI法で16倍以下)はワクチンを通常より安い価格で接種できます。

 

申し込み先:足立区保健予防課または保健センター電話:03-3880-5892